2016年11月27日

僕がVRデバイスをひたすら買っているわけ

突然ですが、youtenは「没入感」という単語が嫌いです。もう少し正確に言うと「没入感がある」「没入感がすごい」みたいな絶対的な表現で使われるケースが多いので嫌いです。比較の表現として「AよりBの方が没入感がある」という表現は好きです。これだと好きだの嫌いだのなんのこっちゃ?という話があると思いますが、例えば@GOROman氏の#Mikulusを見て「没入感がすごい」という感想をもった以下の二つのケースがあるとします。

Aさん:ハコスコなりCardboardなりスマホベースHMDのちょっとステッチングの微妙な360度動画を、それもspatial audioでもなくモノラルのやつをチラッと見たことがあるけどOculus Riftは知ってるだけ、PSVRはちょっと興味があるけど入荷待ちだという話を聞いてそのうち買おうかなぐらいの人がGTX1080環境なちゃんとVR ReadyのOculus Rift CV1で今のMikulusを見た感想の「没入感がすごい」

Bさん:DK1 backerでDK2も買って過去のMikulusは知っていて、主婦ゆには買ってるしMMD4MecanimなりでMikulusクローンを作ったことや作ろうとしたことがあってVR空間だとアニメキャラは頭身が違うのでサイズや視線調整で簡単にプレゼンスが剥がれて違和感が出ることに泣いた経験があってVR ReadyなPCは持っていてPSVRももちろん買ったしカスタムメイド3D2もサマーレッスンもやっていて自分の中に芯地がある人が今のMikulusを見た感想の「没入感がすごい」

この差が嫌いなのです。

僕は直感的に流行するものが分かるイノベータ側ではなくて、どちらかというと「信用に足るアーリーアドプターの行動を見つけて拾ってくる」ぐらいのアンテナの感度で世の中暮らしていますが、VRは間違いなく「iPhone並」に世界を変えると信じています。
「iPhone並」という表現についてもう少し補足しておきます。これを「スマホ並」と言わなかったのは、ぶっちゃけ日本ではiPhone3GS以前にすでにスマホが出てたからです。iPhoneはあの「直感的」という謎の単語で表現される、タッチパネルと液晶を組み合わせて指が動く範囲でUIが追従することによる入出力システムを世界の常識にしてしまったのです。
もっといろんな分類があると思いますが、「すでに一部では便利に利用されていたシステムが爆発的に普及する」イノベーションと、「完全に新しい概念が普及する」イノベーションの二種類があると思います。比較のために挙げると、ケータイ、写メ、スマホ、電子書籍、ウェアラブル、あたりが前者で、タッチインターフェイスを持ったiPhoneとVRが後者だと思っています。

VRじゃなくてMRだし、ARに最後に返ってくると言われてますが、確かに最終的にはどっちがどうなのかは概ね(その物理的特性が違うよという観点も含めて)「赤色と青色」ぐらいに収束するのはすでに見えてきています。

ちょっと以前に書いた文章をここで引用します。

Virtual Realityとは、直訳では「仮想の、事実上の現実感」です。実際に実物がそこにあるかのように人間に感じさせる技術を意味します。その技術体系は人間の五感に即して分類することができるものです。 日常的に普及しているイヤホンやヘッドホンによる立体感のあるステレオ音声も、あたかも目の前で実物が音を出しているRealityを実現した、聴覚に関するVR技術の一種であるといえます。

本章では主に、高スペック化の進んだスマートフォンデバイスによって、視覚に関するRealityをVirtualに実現するアプリについて取り扱います。
もう少し具体的にいうと、「首の向きに追従して、リアルタイムで絵が変わる」ことと、「左右の目に違う絵を表示することで立体的に見せる」ことです。

今のVRムーブメントは、この「首の向きに追従して、リアルタイムで絵が変わる」ことがそれはもうめっちゃ追従するようになって、「左右の目に違う絵を表示することで立体的に見せる」ことがそれはもうレンズとか表示側を歪めるとかめっちゃがんばって自然に立体的に見せる仕組みが(昔に比べて)ものすごくやりやすくなったことに起因すると思っています。(youtenはVR元年はまぁDK2の2014年かなぁ、と思っていますが、それから2,3年経って音声(聴覚)の方も需要があるぞ、と研究分野から業務用分野に降りてきた感があります)

今ARなりMRなりに若干広がりが見えるのは、もともとマーケティング目的としてリアルが絡むARの方が歴史的に何度も期待されていることもあると思いますが(よくわからんARのようなものとしてポケモンGOが俎上に上がったり)、Kinect v2・Leap Motionあたりから定着しだしたToFまわりの人間と外観の情報がリアルタイムに観測できることとを組み合わせて、Tango, Hololens, Magic Leapと具体的なデバイスが出ている動きを追って行けば「今後広がっていく」というより「すでに広がりつつある」という表現の方があっていると思います。

逆にちとつらそうなのはハプチですね。「触感」はつらそうですけど「風」と「温度」は物理的にやっちまえばいいのでそれなりのところで出てくるんではないですかね。僕は耳元に息を吹きかけられるデバイスぐらいなら今でもいけそうだとか思ってますが。

おっと完全に脱線しました。

で、何が言いたいかと申しますと、このVR、今までの言語事例では到底表現できないのです。普段から芸術的な表現をしてる方々ならともかく、相対的な情報理論を脳内に貯めていくことが生業の俺らにそんな向いてないことやるのはまさに効率が悪いってやつでしょう。テレビの無い世界でテレビについて伝えるのはとにかく難しかったと思います。

歴史に倣うと、テレビは店頭デモしましたので、VRも...店頭デモつらいですね(ちまちまと常設が増えていますが)。
ただし、今はインターネットがあります。「VRをやってる人が面白いのでそれをコンテンツにする」も良いと思います。グリーンバック合成は効果的です。CIRCLE of SAVIORSのVR JKでいいのです。
ゲーム実況文化もあります。VR画面をそのままストリームすると酔いやすいという話は、ローパスをかければ回避できるとのことで、きっとこれもすぐに標準装備になると思われます。

また、低レベルの体験から延長線上にある高レベルの体験をどう想像してもらうか、という観点では、うちの国にはSAOという最強のコンテキストコストバスターがいらっしゃいますのでお世話になればいいと思います。AR側も電脳コイルが追いつくのはまだかと待っていてくれています。

そんなわけで、実際にやるのが一番コスパフォがいいんですよ。やればやるほどプレイ動画を見て分かる様になりますし、ぐるっと一周回って一番最初の話の、AさんとBさんの発言の差が分かるようになってきます。「100つのコンテンツ体験を共有している人の言葉」はプレイ体験にかなり等しく伝わります。「ガルパンはいいぞ」ぐらいの伝わりです(つまるところ、全く伝わってないけどやる価値があるかどうかぐらいは伝わります、結局やらないとわからんね!)。昨今でいうと「Rez InfiniteのArea Xはいいぞ」あたりになると思います。

というわけで、(ここ2,3年のiPhoneの様に)差分に想像がつくとか、魅力的に感じなくなるまでは、VRデバイスを買い続ければいいじゃんと思っています。

Daydream Viewだけ先に来たけどhandtecで色選択のニ択に負けてPixel XLが届かないyoutenでした。BT-300とTouchとFOVEが冬休み中に遊べるといいな!